ACモータ

一般的に、商用電源(交流)で回すモータのことを AC モータと呼びますが、大きく分けて電源周波数に同期して回る同期型と、スベリを生じて回る非同期型とに分類されます。

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主な種類(構造上)

同期型モータ

ロータにマグネットを使用しないリラクタンスモータとマグネットを使用するシンクロナスモータ(インダクタモータ)の2種類があります。いずれも、電源周波数とロータ極数によって回転速度は決まります。


非同期型モータ

ロータに電磁誘導を発生させ、ステータ側巻線の回転磁界に引っ張られて負荷に応じたスベリを持ちながら、非同期で回るインダクションモータが主流です。使用用途に応じて内部定数を変えてリバーシブルモータとかトルクモータの種類に分かれます。

駆動方式

単相電源の場合

同期型、非同期型とも巻線が2つあり、回転磁界をつくるために位相用コンデンサを片側の巻線につなぎます。巻線側の磁極数に応じて2相分の巻線配列を行い、電源に直接つなぐ主コイルとコンデンサを挿入する補助コイルとに分かれます。また、コンデンサの挿入によって回転方向が決まります。


3相電源の場合

巻線を3相分つくることによって電源周波数に同期して回転磁界ができる。単相に比べて回転が滑らかで効率もよく、コンデンサも不要です。一般家庭では単相 100V なので単相のモータになりますが、工場などでは単相、三相両方あります。電力をたくさん使う工場では三相交流を使った方が経済的です。

一般仕様

項   目 仕   様
定格電圧 100(200)V 50/60Hz
定 格 連続(又は短時間指定)
軸振れ 0.05mm 以下
絶縁クラス クラス E(又は B)
使用環境 -20℃~+40℃、湿度 85%以下
絶縁抵抗 100MΩMin. 500VDC
絶縁耐圧 1500VAC/分(1800VAC/秒)
保護装置 サーマルプロテクタ(120℃)又は
インピーダンスプロテクト

特 徴
・ 構造が堅牢で長寿命(ブラシレス)、専用ドライバーが不要で低コスト。
・ 回転精度がラフな仕様には最適であり、通常、ギヤと組み合わせることにより、高トルク低速回転も可能である。(インダクションモータ)
・ ただ同期速度で回すだけの仕様に最適で、ギヤを使わずに低速(多極可能)運転ができ、低コスト対応が可能である。(シンクロナスモータ)
・ 工場などで使う出力の大きいモータとして、3相モータは最適であり、効率面、
電流容量からも、高電圧(200V、400V)仕様が標準である。

用 途

FA(搬送、ロボットなど)、昇降機、食品加工機、環境関連に至るまで幅広い方面からの需要あり。

モータ写真